泥かき・片付け支援の基本:安全に効率よく作業するためのポイント
災害ボランティアの主要作業「泥かき・家財搬出」の基本手順・安全上の注意点・感染症リスクへの対処・チームワークのコツを解説します。
更新: 2026-04-09
📌 この記事の要点
「泥かき」は水害後の災害ボランティアの中心的な作業です。初めての参加で「何をどうすれば良いかわからない」という不安を持つ方も多いはずです。基本的な作業手順から安全上の注意、感染症リスクへの対処まで、実践的なポイントをまとめました。
泥かき・家財搬出の基本手順
泥かき作業は、まず「何を残して何を捨てるか」の確認から始まります。これはボランティアが独自に判断してはいけない最重要ポイントです。必ず被災者本人または担当コーディネーターに確認してから搬出・廃棄を行いましょう。家族の思い出の品・貴重品が泥に埋もれていることもあります。
作業の流れは一般的に以下の順序で行われます。①家財道具を屋外に搬出する。②床材・壁材を撤去する(専門知識が必要な場合は専門家に委ねる)。③泥をスコップ・一輪車で搬出する。④仕上げの清掃・乾燥。
スコップの使い方は腰に負担がかかりやすいため、腰を曲げて持ち上げるのではなく、膝を曲げて足と膝の力を使って持ち上げるようにしましょう。チームで交代しながら行うことで、腰への過負担を防ぎます。
- ▸何を捨ててよいか・残すかを被災者に必ず確認する
- ▸家財を屋外に搬出してから床・壁の泥を除去する
- ▸スコップは腰ではなく足・膝の力を使って扱う
- ▸重い荷物は一人で持たず、複数人で協力して運ぶ
- ▸疲れたら交代しながら継続する
作業中の安全注意:ケガ・感染を防ぐ
泥かき作業は、見た目以上に危険が潜んでいます。泥の中には釘・ガラス・鋭利な金属が混入していることがあり、手袋や長靴の保護なしには深刻なケガを招きます。
作業中に泥の中から鋭利なものが出てきた場合は、無理に素手で扱わず、スコップや道具を使って安全に取り出してください。ガラスや金属は分別して廃棄します。
重い家財(冷蔵庫・タンス・ピアノなど)の搬出は、腰・背中への負担が非常に大きいです。腰痛持ちの方・体力に不安がある方は無理せず、担当者に申し出て軽作業に変更してもらいましょう。一人で無理に持とうとすることは厳禁です。
電気設備(コンセント・ブレーカー)には触らないようにしましょう。浸水した電気設備には感電リスクがあります。
- ▸手袋・長靴の装着を徹底する(作業前の確認)
- ▸泥の中の鋭利物は素手で扱わない
- ▸重い荷物は複数人で協力して運ぶ
- ▸腰痛・体力低下を感じたら担当者に申し出る
- ▸電気設備・ブレーカーには触らない
- ▸ガスのにおいを感じたらすぐに離れて報告する
感染症リスクへの対処
水害後の泥・汚水には病原菌が含まれている場合があります。主なリスクとして、ノロウイルス・レプトスピラ菌(ネズミの尿から感染する細菌)・大腸菌などが挙げられます。
感染予防の基本は「泥・汚水を口・目・鼻から体内に入れないこと」です。防塵マスク(N95相当)は粒子状物質だけでなく、汚染物質の吸入予防にも役立ちます。
作業中に目・口・鼻を触らないように意識してください。食事・水分補給の前は必ず手洗い・除菌ジェルを使いましょう。
皮膚に傷がある場合は、その上から防水バンデージを貼ってから作業するか、汚水が傷口に触れないよう特に注意してください。細菌性皮膚感染症(蜂窩織炎など)は水害後の作業中に起こりやすいリスクの一つです。
帰宅後はすぐに全身をシャワーで洗い、衣類はビニール袋に入れて他の洗濯物と分けて洗濯してください。
- ▸防塵マスク・手袋・長靴を徹底して着用する
- ▸作業中に目・口・鼻を触らない
- ▸食事・水分補給前に手洗い・除菌を行う
- ▸皮膚の傷は防水バンデージで保護する
- ▸帰宅後すぐにシャワー・衣類の洗濯を行う
チームワーク:声かけと協力が安全を守る
泥かき作業はチームで行うことが基本です。一人で無理をせず、声をかけ合いながら作業することが安全と効率の両方を高めます。
作業中の声かけは重要です。重い荷物を運ぶとき・疲れたとき・危険を感じたときは必ず声に出して周囲に伝えましょう。「重いので交代してください」「少し休みます」という言葉を出せる雰囲気が、現場の安全文化を作ります。
チームリーダーは定期的に参加者の体調・様子を確認します。顔色が悪い・作業ペースが落ちている人がいたら、積極的に声をかけてください。また、初めて参加する方が孤立しないよう、ベテラン参加者が声をかけることも現場では大切にされています。
被災者の方が作業現場に来た際は、温かく・短い言葉で接しましょう。作業の報告・確認事項は担当コーディネーターを通じて行うことが原則ですが、被災者への配慮ある声かけは現場の雰囲気を和やかにします。
- ▸重い荷物・疲労・危険は必ず声に出して伝える
- ▸チームメンバーの体調変化に気を配る
- ▸初参加者が孤立しないよう積極的に声かけする
- ▸被災者への対応は担当者を通じて行う
- ▸作業の進捗・変更はリーダーに必ず報告する
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